花粉症 – 2024年春号
春の訪れと共に、今年も特に花粉症への関心が高まる季節となりました。特に関東地方では2月中旬から花粉の飛散が始まり、多くの人々がその影響を受け始めています。季節性アレルギーである花粉症は、多くの人にとって避けられない悩みの種で、天気予報でも花粉の飛散状況が報じられるほどです。今回は、花粉症の特徴、原因、そして対処法について紹介します。
花粉症とは
花粉症は季節性のアレルギー性疾患で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を引き起こします。年々増加傾向にあり、国民のおよそ40%以上が花粉症にかかっていると推測されています。関東地方では、主に2月中旬からスギやヒノキの花粉の飛散が始まります。
薬の取り扱いについて
花粉症の治療薬には、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬などがあります。開封後は一般的に1ヶ月から2ヶ月で使用を終えることが推奨されます。
家庭での対処法としては、花粉の飛散が多い時期にはマスクや花粉症用メガネの着用、外出時の布団や洗濯物の外干しを避けることが効果的です。マスクの着用では、花粉の7割が防げるといわれています。また、帰宅時に衣服や髪をよく払ってから部屋に入ることも重要です。これにより、花粉が室内に持ち込まれる量を減らし、アレルギー症状を和らげることができます。
つらい症状を和らげる食べ物
花粉症の症状を緩和する食事として、乳酸菌、ビタミン、食物繊維が効果的とされています。乳酸菌には免疫の過剰反応を抑える働きがあるため、花粉症の症状緩和に役立つと考えられています。
花粉症は多くの人が抱える問題であり、適切な知識と対処法を知ることが、春の季節を快適に過ごすための鍵となります。花粉症の治療や予防には、個々の症状やアレルギーの種類に応じたアプローチが必要なため、症状が続く場合や繰り返される場合は、医師の診察を受けることが重要です。
「平年」と「前年」の違い
花粉症に関するニュースで使われる「前年」と「平年」という用語。具体的には、「前年」とは直前の年度の花粉の量を指し、一方で「平年」とは過去数年間の平均的な花粉の量を指します。このため、ニュースでは「今年は平年より花粉が多い」と報じられることがありますが、同時に「前年よりは少ない」という報告もされることがあります。
日本における一般的な花粉の飛散時期
月 | 花粉の種類 |
---|---|
1月~3月 | スギ、ヒノキ |
4月~5月 | ケヤキ、ハンノキ |
6月~7月 | イネ科の草 |
8月~9月 | ブタクサ |
10月~12月 | イネ科の草、ヨモギ |
※個人差があります
花粉症の原因
花粉症の原因は、植物の花粉、特にスギやヒノキなどに対するアレルギー反応です。診断には血液検査や鼻汁の検査、特異的IgE抗体測定が用いられます。
風邪と花粉症の見極め
風邪はウイルス感染によるもので、症状が数日間から1週間程度で改善する傾向があります。一方、花粉症はアレルギー反応によるもので、症状は花粉の季節に応じて長期間続くことがあります。目のかゆみは花粉症の特徴的な症状で、風邪ではあまり見られません。また、花粉症の場合は全身の倦怠感や発熱は一般的には見られません。同じような症状が繰り返される場合は、花粉症の可能性が高いため、受診をおすすめします。
特徴 | 風邪 | 花粉症 |
---|---|---|
症状の期間 | 数日から1週間程度 | 長期間(花粉の季節に応じて) |
目のかゆみ | ほとんどなし | あり |
くしゃみ | ある場合もある | 頻繁に起こる |
鼻水 | 透明または黄色い | 透明 |
喉の痛み | あり | なし |
発熱 | あり | なし |
全身の倦怠感 | あり | なし |
※個人差があります